COLUMN

土木施工管理技士の資格は転職に有利?活躍の場と転職活動のポイントを解説

2024年4月25日

Indeed,中途採用,新卒採用

このページでわかること

土木施工管理技士の資格は、施工管理の分野で高く評価されるだけでなく、建設業界の枠を超えた転職の可能性も広がります。この記事では土木施工管理技士の資格保有者が活躍できる場所や転職活動のコツを解説します。

目次

土木施工管理技士とは?

土木施工管理技士は、土木工事現場の施工管理を担う国家資格であり、公共工事や自然災害時の復旧工事など、生活基盤を支える重要な職業です。1級と2級の違いは、1級がより高度で複雑な工事の管理に携わり、2級はより基本的な工事の管理を行う点にあります。どちらの資格も建設業界で働く上で有益であり、持っていれば損はないものです。

1級と2級の違い

まずは、1級と2級の土木施工管理技士の違いから説明します。

・2級は請負金額4,000万円以下の工事現場に「主任技術者」として従事
・1級は請負金額4,000万円を超える大規模工事現場に「監理技術者」として従事

このように、土木施工管理技士の資格は請負金額によって2級と1級に分かれています。上位の1級を取得することで、大規模な工事現場で現場全体を統括する監理技術者として活躍できるようになるのです。より高度な責任と権限が与えられる分、給与面でもメリットがあります
 

試験内容と必要な実務経験

1級土木施工管理技士の試験は、他の国家資格に比べて相当難しいものとなっています。

・2級合格後、一定年数の実務経験があれば1級受験が可能
・学科試験と実地試験があり、専門知識と実務経験が厳しく問われる

1級の学科試験では、構造力学や施工計画、積算などの高度な知識が求められます。さらに実地試験では、設計図書の解釈や施工計画の立案など、実践的な力が審査されます。つまり、専門知識と同等以上に実務経験が重要視されているのが特徴です。

このように合格するのが難しい試験であるがゆえに、1級土木施工管理技士の資格取得者は高く評価されるのです。2級の資格を取得後、一定の実務経験を積んでから1級に挑戦することが賢明でしょう。

土木施工管理技士の活躍できる場所

土木施工管理技士の資格保有者が活躍できる場所をご紹介します。

大手ゼネコン

建設業界を代表する大手ゼネコンへの入社は、どの技術者にとっても人気が高い転職先です。1級土木施工管理技士の資格を持っていれば、即戦力として抜擢されるチャンスもあり、入社もしやすくなります。

大手ゼネコンのメリットは、大規模な工事案件が数多く存在する点にあります。資格と経験を最大限に活かせるフィールドがあるということです。また、高い給与水準と手厚い福利厚生制度など、待遇面でのメリットも大きいと言えます。

発注者支援業務

発注者支援業務とは、国や自治体が発注する公共工事について、発注者の立場で補助的な業務を行うことを指します。公共工事の資料作成や、現場調査・用地交渉など、上流から下流までを支援するのがメインの仕事となります。

このように公的機関の補助業務を担うため、休日も公務員並みに確保されやすいのがメリットです。加えて、ダムや高速道路といった大規模なプロジェクトにも関与できるため、高度な専門性を身につけられます。発注者の立場から業務に携われるのも魅力的です。

ディベロッパー

ディベロッパーは、住宅やオフィスビル、商業施設などの開発を手掛ける企業です。主な業務は土地の仕入れと、建設後の分譲・賃貸になります。施工管理の現場経験を活かせば、企画開発の分野で活躍できるチャンスがあります。

技術者時代よりも高い給与水準が期待できることに加え、新しい知識とキャリアを身につけられるのがメリットです。単に報酬面だけでなく、キャリアチェンジを望む人にとっても魅力的な選択肢と言えるでしょう。

公務員(技術職員採用)

公務員として採用された場合、主に自治体が管理する道路や河川、上下水道などのインフラ設備の建設や維持管理を任されることになります。定年までの安心・安定した勤務環境が確保できるのが大きな魅力です。

収入面では民間企業に比べると決して高くはありませんが、地域住民の生活を支えるインフラ整備に携われる社会的意義は高く、働きがいのある仕事だと言えます。近年は働き方改革の影響で、公務員の勤務環境も改善されつつあり、メリットが増しています。

土木施工管理技士の転職を有利に進めるポイント

土木施工管理技士の経験と1級の資格を備えていれば、様々な分野で活躍できる可能性があります。転職を有利に進めるには、しっかりと準備を行う必要があります。ここでは、その際のポイントを確認しておきましょう。

計画的にキャリアを設計する

転職活動に先立ち、まずは自身のキャリアビジョンを立てることが重要です。長期的な視点に立って、5年後、10年後にどのような立場で働きたいのかを考えます。併せて、目標とする収入水準や役職なども明確にしておきましょう。

その上でこれまでの経験とスキルを棚卸しし、目標達成に向けた課題を洗い出します。例えば、別の資格取得が必要となれば、その準備をしっかりと行う必要があります。こうしたキャリア設計ができていないと、転職先を見誤る恐れがあります。

転職活動を着実に準備する

自身のキャリアプランを立てたら、次は具体的な転職活動の準備に取り掛かります。まずは転職サイトや転職エージェントを上手に活用しましょう。自身のニーズに合った求人を効率的に探せる手段であり、質の高い情報が得やすくなります。

そして何より重要なのが、履歴書や職務経歴書の作成です。書類選考で高評価を得るためには、きめ細かい対策が必須です。可能であれば、プロのエージェントに見直しを依頼するのも賢明です。

面接での質問対策も欠かせません。想定される質問をリスト化し、テンプレートを作成しておく必要があります。1級保有者としての高い専門性を、面接で的確にアピールできるよう準備しておきましょう。

まとめ

土木施工管理技士の資格は、単に施工管理の分野で高く評価されるだけでなく、建設業界の枠を超えた転職の可能性も広がります。施工管理技士の方々には、培った専門性を最大限に活かせる様々な選択肢があります。

自身のキャリアビジョンを明確にした上で着実に転職活動を進めていけば、理想の職場に出会えるはずです。今までの経験と資格を武器に現状に満足することなく、更なるキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。

土木建築工事で活躍する技術者の育成・支援事業を手がける当社では、今後も業界全体の人材確保と活性化に取り組んでいきます。気になる方はお気軽にお問い合わせください。

ARCHIVES

記事一覧

施工管理技士は、建設業界において重要な役割を果たす国家資格です。キャリアアップの可能性、給与面での優遇など、多くのメリットがあります。この記事では、施工管理技士の資格概要や将来性について解説します。
技術士や土木施工管理技士、RCCMなどの資格は業務の質を高めるだけでなく、給与面での優遇やキャリアパス拡大にもつながります。この記事では、発注者支援業務で優遇される資格について解説します。
発注者支援業務にはいくつかのデメリットも存在します。しかし、これらは個人の価値観や目標によっては、むしろ長所として捉えることもできるでしょう。この記事では、発注者支援業務の全体像について解説します。
発注者支援業務は建設業界で重要な役割を果たす魅力的な職種で、未経験者でも適切な準備と学習により十分に活躍できる分野です。この記事では、発注者支援業務の概要や未経験者が挑戦するメリットを解説します。